オーベルジュ漣 滞在記
昨年5月に初めて1泊し、感動しまくり。
※初めて泊まった時の記事はここ。
さらに昨年末、雑誌の仕事で取材をさせていただく機会があり、なんでこの宿がこんなに隙なく心地いいのか、その理由がわかった気がしたのです。
大人が肩肘はらずにくつろげる宿、
日本人が食べて疲れないフレンチ、
ご主人とシェフの高い志が、館内の小物ひとつ、スタッフひとりひとり、すみずみにまで満ちているから、滞在中ずっと、心地いい感動に包まれていたんだと、今振り返っても思います。
ちなみにここ、夏には1階の2室に露天風呂がつくそうです。
前回の取材時には全室そうなるのかと思って、微妙な気持ちになったのですが
(本格的なフレンチと、小さな温泉宿風のお風呂のアンバランスがここの個性みたいな気がして、全室露天だと逆に、ありがちな宿になってしまう気がしたのです)
大浴場も残り、二階のお部屋は今のまま残るというので安心しました。
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前回宿泊したのは、2階のツインタイプのお部屋で
1泊2食、週末価格で1万9500円でした。
(なんでこの値段でできるのか、謎・・・)
不満がない程度に快適だったら、それ以上はムダ、という主義のダンナは
「前のあの部屋で何の不足もない」
と強硬に主張したのですが、私は取材の時から、
「次にダンナと来る時は、絶対にスーペリアツインに泊まろう!」
と固く心に誓っていたのです。
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それは、寝室のこの棚にこう、ずらーーーっと本を並べたかったから。
なので、何をさておいてもまず本を並べます。
ああ、もっとっこう、ずらーーっと並べたかった・・・
もっといっぱい送っておけばよかった・・・
ツインルームは一人がけの椅子が2脚ですが
ここはゆったり二人で座れるソファと
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マッサージチェアが。
マッサージチェアから外を見るとこんな。
完全に敷地内なので、人目はまったく気になりません。
でもって寝室が分かれているので、かなり余裕です。
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残念なのは、洗面所とトイレとシャワールームの仕切りがないことくらい・・・
シャワールームは前回も今回も一度も使わなかったんですが、
必要なんでしょうかねえ・・
このスペースをトイレにして、きちんと分けたほうが使いやすい気が。
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アメニティも、1万円台の宿レベルじゃないですよねー
バードウオッチング用のグッズが置かれています。
実際、窓から見たことない鳥を何羽か見かけました。
お好きな方ははまるかと。
クローゼットの右側がドリンクコーナーになっていて
このお着き菓子、もちろん自家製。
「滞在中に口に入るものはすべて作りたい」
「うちのパティシエは一日中、何かしら作ってますよ」
というご主人の言葉を思い出しました。
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ワインセラーもある。値段も2千円台とお手ごろです。
ビールはエビスが2本と控えめ・・・あとはエビアンとペリエとジンジャーエール。
ダンナ「ジュースとか、あったらいいなーー」
ソファに二人で座って外を見ていると
ダンナがポツリ・・
「この椅子、邪魔じゃない?」
ってことで、思い切って二人でソファを横にどかしてみました。
(もちろん、帰りには元に戻しておきましたから!)
その結果・・・
確かにこのほうが窓がさえぎられなくて部屋が明るいような。
で、部屋も片付いたのでお風呂へ。
部屋を出た廊下。
突き当たりを左折して階段を降りると大浴場が。
廊下にもプレーヤーが置いてあって、低くボサノバ風のBGMが流れています。
廊下を歩いている間も、なごむーー
廊下の壁にかかってる絵もおざなりじゃないんだけど
気取りすぎてもなくて、
このさじ加減が、大人な感じ。
窓の外には滴るような緑と、ところどころに巣箱が。
↑
大浴場前の廊下の窓から見えるこのオーナメントが好きでした。
↑
このお風呂、大好きで。
窓の外の緑が気持ちよく、濁り湯にその緑が映ってもーサイコー。
にごり湯って、癒されますねえ。
でもって、ここでいっしょになった人とちょろっと話をしたりとか
そういうのがまたいいんです。
ダイニングで再会して、ああ、ご主人はああいう人か、と
ひそかにウオッチングしたりして。
全室露天になってここがなくなったら寂しい、と思ってたのですが
そうじゃなくてよかった。
部屋に戻る途中のライブラリー&パソコンコーナーも
明るくて気持ちいいです。
旅館のライブラリーって、写真集とか画集とかでおしゃれにまとめてたり
ビジネス本とかヒット本を並べてたりであんまり食指が動かないのですが
ここのラインナップは、本好き、小説好きな人の本棚みたいで
いいです。
新刊本が次々に出るので、ついそれに追いかけられちゃうけど
一度は読んでみたいと思っていた本がいろいろあって
そのうち、本を一冊も持たないで3泊くらいして、
この本棚の本を読み漁ってみたいわあ。
わがまま言えば、翻訳ものがもう少しあるといいなあ。
あと好きなのは
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このキーカバー。
触れただけで癒されるようなキーカバー、ということで特注したそうで
ほんとに、使い込んだみたいなやわらかい、気持ちいい手ざわりなんです。
こうやって開くと、中から別々に引き出せるようになってる。
キーにここまでこだわってる宿は、ほかで見たことないです。
そんなこんなでいよいよ、ディナー。
6時に予約したのでまだまだ明るく
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壁のこの絵は、ワイン好きで知られる画家さんの作品だそうで
どれもいい味出てます。
ダンナ「赤い額縁がおしゃれだねー」
ディナーのレポートはこちらで。
スパークリングワイン飲みすぎて、爆睡。
めざめると
まっさきに、窓の外の緑が目にとびこんできます。
幸せだー
9時過ぎにダイニングへ。
ほんとに、襲われるんじゃないかってくらい、すごい勢いの緑ですよ。
そしてここは朝ごはんもすごくて、朝からコースメニュー。
軽いディナーくらいのボリュームとクオリティです。
ドリンクは
ジュース(フルーツ5種・トマト・若葉)
静岡県ふるさと牛乳orおまかせワイン
からチョイス。
もちろん私はワインですよ!!
地物の豚をワラでいぶして作り上げた
自家製のス
モークハム
オーベルジュ草庵でも感じたのですが
こういうオーベルジュの自家製ハム・ソーセージって
保存しないですぐ食べるものなので、塩味が穏やか。
だからお肉の味がしっかり味わえる、
いわばオーベルジュでしか味わえないものだなあと思います・・
野菜料理は、以下3品からチョイス。
自家菜園ハーブのサラダ
or三島の
スティック野菜
or箱根の温野菜
↑私はスティック野菜。
真ん中のソースは、アンチョビ、味噌、マヨネーズのミックスで、
前に泊まった後はこれにはまって家でも作りまくりました。
↑ダンナは温野菜。
うーーん、白ワインにはこっちが合ってたかも。
メインは以下から選びます。
地卵のオムレツ
デミグラスソース
函南トマトのソース
プレーン
or
シェフおすすめ、本日の鮮魚料理
or
そば粉のパンケーキにのせた目玉焼き トリュフ風味で
or
箱根 笹豆腐のステーキ
味噌のソースで
↑
私は豆腐ステーキ。
いや、ほんとに、ディナー級の存在感。
でもって、ヘルシー。
洋朝食って、ちょっと油がヘビーに感じることが多いんですが
これは体にやさしい軽さとおいしさでした。
まさに「大人にやさしいフレンチ」ですな。
↑
ダンナは本日の鮮魚料理。
・フルーツのスープ仕立てと紅茶のブリュレ
・コー ヒーor紅茶(ダージリン)or緑茶
隣の女性の椅子にだけ、クッションがあったので
スタッフの方にちらりと聞いたんです。そしたら
「ご妊婦さまでしたので・・・」
その心配りにまた感動して、惚れなおした。
二日目は一日中雨、
しかもすごいどしゃ降りで。
まあ、私たちが泊まる時はだいたいこんななんでもういいですが。
なんで部屋ですっと、音楽を流しながら
がりがり本を読んでいました。
↑
備え付けのCD.
↑
ジャニス・イアンが多かったかなー
懐かしかった。
持ってきた本の本命は、昨年の「このミス」海外部門で1位だった
「犬の力」上下巻
だったのですが、これがどうにもこうにもダメで。
10ページくらい読み、全体を流し読みして
5分でアウト。
ハードボイルドすぎて、私には歯が立たず。
勝見洋一さん、大好き。
元・奥さんの桐島洋子さんのエッセイも20代の頃から大好きで
昔は憧れたものですが、勝見さんのと読み比べると
かなり乱暴というか野蛮というか、大ざっぱな感じがしてしまいます。
文筆家としての才能の質の違いでしょうが・・・・
↑
今回の大ヒットはこれ。
ほんとに時間忘れて読みふけりました。
時代小説苦手だったんだけど、そんなの突き抜けた面白さ!
↑
クリスティの創作メモを集めた「アガサ・クリスティの秘密ノート」を読んでいたら
たまらなくいろんなのを読みたくなって。
これは別名義で書いたミステリじゃない作品ですが、
人間の憎しみの深層心理を巧みにドラマに仕立てていて
これも一気読み。
「光媒の花」は期待はずれ・・・
「週末の欝金香」は前に読んだのばっかりだったのですが
ひさびさに読んだらまた泣けた・・
夕食の着替えで気がついたのですが
ここのクローゼット面白い。
左右どちらからもあけられて
引き戸にもなっている。
二日目のディナーはこちらで。
夜もますますすごい雨。
そして二日目の朝食。
↑根菜のスープ。
↑ピラフ。
↑食べ切れなかったパンはこうして包んでくれる。
夏にはここに、お風呂ができるのかーー
ダンナは
「僕はお風呂のない、一番小さい部屋で何の不満もない」
と言い張ってるけど
(十分快適なので、それ以上必要ない、というスタンス)
私はお風呂のあるj部屋に泊ま。りたいなあ・・
今回、仕事で煮詰まり気味のまま来たので
ついついお風呂でも、仕事のことばかり考えちゃって・・
私は家ではお風呂で本を読むので
本を読まないでお風呂に入ると、仕事のことを考えてしまう因果な体質だと気がついた
次はいつ来れるかなあ・・・
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